願い/
 

代わりに、花や道端の石ころに拝んでおけばいいのよ」
と冗談をいって笑っていた

ぼくはいつもの神社で
女とフリスビーを投げている映像etcを神様に送ったのち
家に帰ってくると
おばあちゃんはトン汁を用意して
みんなの帰りを待っていた
僕が牛丼屋に入っても
いつもトン汁を頼めないこと
おばあちゃんは知ってたんだろうか
わからないけれど、
口の中いっぱいに
懐かしくてやさしい味がひろがった

そのあとぼくは家を飛び出して
家の前で拾った石ころの神様に

「おばあちゃんの足がはやく治りますように」

と今度はちゃんと言葉にして
何回もお願いした
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