春の土手/はじめ
雪に覆われた心の中のバス停の小屋の中
僕はバスを待っている
しかしバスは来ることはない
雪は静かに降り続いている
思い出の人達は記憶として僕の脳裏に現れる
僕はその記憶をなくすつもりだ
重荷となってきた記憶を忘れるために僕はここにいる
文章を書いているとなんだか何かに連れ去られそうで
僕は長い文章を書くことを恐れている
僕が死んだら詩達はどうなるのだろう
無となり消えていくのだろうか
心の中の駅には一人の駅長が来ることのない列車を待っている
彼は遠い過去の記憶を失っている
自殺した一人の女性がその駅に留まっている
その自殺した時
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