大樹/はじめ
記憶を遡り 苦痛と恐怖を味わう
もう二度と戻らない時間 しかし愛おしい
僕は気分が少し楽になる 呪縛が通り過ぎていったおかげだ
夜空の波を漂う 僕はもう少しこうしていたいだけ
腰に雲が突き刺さって棚引いている 僕は胡座をかいている
細長い雲を吸い込む どんどん腹が膨らんでいく
僕は歩き続ける 宇宙の上を
決して眠ってしまってはいけない 眠ってしまうと夢を見てしまうから
行き止まりにぶつかった 僕は壁に手を当てて 当てた場所から波紋が広がっていくの を見た
温い水のような感触で両手は引き込まれていった 僕は壁を通り抜けた
抜けた先には地面にたくさんの星々が寄
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