モラトリアム/
朽木 裕
ず明日は来る。否応なく。望まない日ばかりは明日を拒否したいものだけれど。
(そんなわけにはいかないんだよね、きっと)
きっと皆そうやって自分を納得させて生きている。人差し指と中指を口の奥深くにつき入れ内臓を掻き出す心持ちで私は明日を想った。
布団の中で一人きり、脅える。まだ大丈夫だ、まだ。外は夜の真ん中か2/3を越えた頃。息を深く吸い込んで布団の中、まだ来ない明日へのモラトリアム。
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