クラシック/たけ いたけ
「クラシック」
稲穂の先端が
千切れて跳んで
千切れて跳んで
潮騒が跳んで流れる
音符が嵐が金色を色づけていく
鼓動と音階鼓動と音階鼓動
休符が僕を梳ってしまう
その
傷口のしぶきが
千切れて跳んで
千切れて跳ん
それで
それで
で
大きな三時の音が広がり
遙かな山が光って盛り上がって
虹が聞こえる羽が生えて瞼が奮える
声が羽ばたいて 手から離れて響く
二度目の鐘がさっき鳴った
雲が揺れてうごめき出し
川は喜びをむき出し 讃えて 讃えて
三度目の合図で終る 讃えて
そして
2羽の野鳥の声が交差し合って
千切れず落ちて
野鳥の羽は
千切れて落ちて
稲穂の僕は
千切れて落ちて
皆 元に納まるように
土に埋もれて始める
遠い春を待つように
ただ小さく 小さく 小さく
小さく 小さく
消えていく最後も
稲穂の切れ端が僕の上に
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