窓際の片隅で/ウデラコウ
 
く変わらずにいるつもりだったのに



君には敵わないな


少し苦笑しながら頬を掻く


その言葉に空は返事をせず
ゆっくりとした風に乗って
僕の頬を撫ぜた



微かに春を覚えたその風に誘われるように

振り替えると


待ちわびた君が
少し歩が悪そうに
立っていた


その姿に僕は何よりも幸せそうに微笑んで

君に手を差し出した



君が僕の手を取る瞬間


空が緩く揺れて
笑い声が
聞こえた気がした




認めるよ

君には 敵わない





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