言葉と心と/茉莉香
甘言というものはいとも容易く脆く崩れ去る
大事だと言い笑顔のときには誰でも優しくなれる
一番辛いときに何も発さない貴方は
本当は卑怯だという言葉を
私は飲み込みすぎ腹は大きく膨れ
悲しみとせつなさは心からぽろぽろと涙を流す
人間関係とは如何に難しいものかと一人
木々の間に座りこみながら
しゃらしゃらという葉の混ざり合う音を聞く
言葉を容易に伝える事ができるのは友達
深い関係では考えこみ言葉に形作れぬこともある
一人で立たねばならぬ苦境
知ってはいても一言が積み重なり強さになるというのに
貴方はそれに気がつかないほど愚かなのか
木々は何も言わず私を支えわずかな温もりを与えてくれる
うつらうつらとしてきた時に葉が舞い降りる
一つの関係が終わろうとしている
木も私もただ見つめるだけ
言葉は ない
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