三日月/はじめ
 
開けて温もりが露わになった
 仏壇のように開いて
 月は砂場の砂のような色をして暗闇の大気の流れを地面に擦らせている
 クレーターが光っている
 太陽が出ている 僕はそれを確認して唾を飲んだ
 白い光

 僕はシルクハットを脱ぎ去り
 夢の中で全く予想もつかないことをしている女の子の為に見守り続ける
 僕には予想外だ 僕は風化した三日月を砕く
 夢の支配人さ 人々が見る夢は僕が全て管理している
 三日月が落ちてきたのも誰かの夢さ
 僕はヘンテコなことをしている
 早くベッドに戻って
 夜空が映る天井を見よう
 僕はもう眠らなければいけない
 空に星が瞬いている 順番通りに並んでいる
 僕の溜め息は温かいものに変わった
 悪魔なんかもうどこにもいやしない
 僕は布団を被って未来のことを考える
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