動物が侵攻中!/ゼロスケ
それは
湿った空気 抱えるカーテン裏や
灯りを 消したキッチン の隅から
悩ましさの記憶 せり上がって来て
しずかにこちら 顔を向け
瞬く間 昔の動物に 替わるということ
義憤で濡らし 羨望にも 似た瞳で
ひとりの 動物が にらみつける
パッケージングした 夜を 消費する僕を
ちくちく ナイフで攻め続けなじる
血を 吐いてから
傷口 捏ねながら ふわふわ刺客を のぞき見る
動物の顔 昔の僕 似ていた
動物が問いつめる
ハ ロ ー 生き てますか もう死んでる んじゃないですか
ハ ロ ー 生きてるのか い じつは死んでいるんじ
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