親孝行/山崎 風雅
 

 わずかばかりのバイト代の一部を
 母に送った
 スーパー銭湯にでも行ってきてよと
 妹が赤ちゃんを産み
 子育ての大変さが分かった
 ずいぶんと親を恨めしく思ったものだが
 記憶がないだけで
 大切に育てられたんだ
 手をかけられて育てられたんだと
 気付いたから

 母は喜んでくれた
 自分が誇らしく思えた
 これからは親孝行したい
 親の喜びは子の喜び
 母が嬉しいと僕も嬉しい

 生きてるうちにしか親孝行はできないんだ
 死んでしまってから後悔したくない
 今のうちだ
 今のうちだ

 母さんゆっくり休んで長生きしてください
 愚息ではありますが
 母さんの喜ぶ顔を見るために
 僕はがんばります


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