生きて/朽木 裕
君がこの世に存在しなくなってから
今日で四年になります
朝、起きて 静かに静かに
君が横たわっていた場所にたたずんでみる
二月とは云え 雪も降る
あの日もとても寒かったよね
呼吸を しなくなる のは どんな感じ…?
身体を動かせなくなる のは どんな感じ…?
愛する者の名を呼べなくなるのは どういう気持ち…?
愛する者の声が聞こえなくなる の は
死なない限り それは分からないことで
だから私は死にたくないと 強く思う
愛する者の死はね、
私の命を生に向かわせる
空はとても良い青空で
私は大きく息を吸い込む
この空に君は居るよね
君の肉体はもう存在しないけれど
ねぇ、タカ
今年の二月はもう梅が咲いているんだよ
私には愛する人ができたよ
空を見て泣かずに笑う
生きて
ここから 君を想うよ
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