”間”を失う人類を、助け出そうと温暖化は進む/ブライアン
 
昼時とはいえ、冬だというのに大変な暖かさだった。
コンビニエンスストアで買った500円未満の弁当を手に持って、ベンチに腰を下ろす。
さすがに、風が吹けば体は凍える。冷たい空気は固まっている。

地球温暖化という絶体絶命の危機を背景にし、
緩やかで、暖かい、晴天に、手放しで喜ぶにはあまりに単純すぎるのだろうか。
行きかう人々に、コート姿はなく、はしゃぎあい、じゃれあう笑い声が、
胸の奥まですっかり楽しくさせる。

世界の分裂症は、人類に与えられた越権であるように。

”間”を失った朝。”間”ばかりが気になる午後。
ベンチの下の鳩。
逃げも隠れもせず、
触れるか触れないかの
絶体絶命の危険地帯で、弁当のカスをつついている。

昼時のやさしい太陽は
破滅を予感させるのか、
ただ、”間”を満たそうとしているのか。

この冬時、人は、
コートも着ずに、友人を求めて笑う。



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