赤林檎/
ソラノツバキ
空に浮かんだあの林檎
照れてすっかり赤林檎
手を伸ばしてほしがった
口のなかでも赤いかな
もしもあなたがこの体
ぽっと赤く染めたなら
すーっと胸に染みこんで
わたしもわらう赤林檎
ぼくに近づく優しい手
もう少しで届くのに
お日さま連れて君の手は
遠くにいってしまうのだ
もしも
あの子がぼくだけを
そっと選んでとったなら
すーっとあの目の輝きに
にこりにこりと赤林檎
ずっとあと
ぽとりと落ちた林檎たち
その中からひとつだけ
輝き生まれた赤林檎
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