こどんのかげ/ねなぎ
した小魚の他は
住民の顔など
砂利道では見かけないのだった
夜が暗い事は
知っていても
誰も
本当の静けさを知らない
風の音が
叩くのは
止まっているような
そのドアの向こう
当時から
切り立った崖を切崩してまで
何故に温泉場を作ろうとするのか
疑問の声と
反対意見が多数に上ったが
その猫の額程しかない
砂浜に温泉が沸く事は事実で有り
事業者の強い意見に表立って反論を
試みる者も無く
住民からの意見は皆無だった
それは
崩れた木材の補修を
鉄板で行い
鉄釘を用いない
漆喰の瓦解を
コンクリートで固めるように
継ぎ接ぎだらけで
矛盾
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