刻印/山崎 風雅
 

 静かに寝息を立てる横で
 青白いその横顔を見つめて
 ため息をつく
 どこに向かっているのかわからない
 どこに行こうとも教えてやれない

 不甲斐ないさ
 俺は何もできやしない
 
 お前の重荷を持ち上げる力もない
 そんなお前でも俺を愛してくれてる
 目の前に岐路がある
 このまま凍えてフリーズしてしまうか
 真っ赤に燃える太陽のように燃えあがるか

 迷惑ばかりかけている
 お前の理想に近づきたいが
 それはなかなか

 神様
 俺にこの乱世の世の中で生き抜く力を授けてください
 この娘を守る力を授けてください

 満月に吠えたくなる俺はガラクタの心を抱いて
 眠りにつけず部屋の隅っこを見ながら暗い部屋でタバコを燻らす

 冬には冬の生き方がある
 夏には夏の生き方がある

 前に進むだけがすべてではない
 時には振り返り反省することも大切だ

 いずれはすべてを脱ぎ去ってこの世ともおさらばするんだ
 熱い血潮が脈うつ間にお前に俺を刻みこみたい
 
 
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