朝の微笑み/
草野春心
緑色した物干し竿がある
律儀に並んだ洗濯物がある
真っ白いシャツの清潔な香りがある
どこかのだれかの朝の庭で
どこかのだれかが伸びをしている
あたらしい陽がある
あたらしい陽のなつかしい温さがある
それらを受け入れる肌と心がある
どこかのだれかの朝の庭で
どこかのだれかがそっと微笑む
その微笑みはどこへ行く
遠く離れた恋人へ?
それとも彼女の二親へ?
否、いま確かに握られた如雨露の口から
ほかでもないこの朝の庭へ
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