煙/
茉莉香
煙草をくゆらせていた後姿
今朝ふと思い出して微笑む
何を信じればいいかわからず
言葉に傷つき自信をなくしていたの
私の笑顔を慈しむように見つめて
決まって後ろから抱きしめる貴方は
どうしてかしら 同じように
不安に苛まれているように見えた
煙草の火は燃え尽き
貴方は微かな煙草の匂いを残し
この場を去り行く煙のように
私は心に貴方を抱いたまま
彷徨い歩き続け
時折貴方に抱かれて
その想いを煙に巻くのです
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