溺れる魚/衿野果歩
 

夜の闇が密度を増す


互いの肌をなぞる
互いの指先
その軌跡が熱を帯びる


もがくように掴む
互いの肌

まるで2匹の
溺れる魚


ゆっくりと沈んでゆこう
甘やかな夜の底へと
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