米研ぐ朝/umineko
 
 とある日
 父と母はSEXをする
 うらぶれた
 障子の影で

 佳き日の御縁で
 迎えられた若い女性は
 しかし
 戸籍に入れない

 「ちゃんとした
  跡継ぎが産めるかどうか
  それがわかるまで
  あんたも
  先々困るじゃろ」

 そうして
 若い女性である母は
 うらぶれたSEXをする
 ありきたりの

 声をあげる

 やがて
 2年の時が過ぎ
 若い女性に
 子宝の予兆

 晴れて
 戸籍に添えられて
 彼女は
 もちろん泣いたりしない

 力を込めて
 米を研ぐ

 じゃっ、じゃっ、と
 狂いのない指で
 彼女の
 朝の米を研ぐ

 無言で
  
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