苺愛歌/Rin K
 
れない
それとももしかしたら
ぼくよりもずっと長く海を愛してきた
じいちゃんの味だったのかも、しれない
知れないものは 確かめるすべがなくて
ふたたびと味わうことはないだろうけれど
ぼくの口の中を、あましょっぱく潤してくれた
苺の味が忘れられないから
ぼくはこう見えても、苺が好きなんだ
だから君の誕生日、だとしても
ケーキの苺は譲れない

かわいいって
言ってもいいよ

君の誕生日、だとしても
ケーキの苺は譲れないわけ

笑ってもいいよ
この苺は、ぼくが食べるんだから



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