片栗粉/はじめ
然「世界の終わり」と世界各国のメディアで報じられ
どの宗教が最も正しいのか激しく議論され
停戦中だった国々や一つの宗教の派閥が
片栗粉が降りしきるのが激しくなるにつれて再び争いを始めた
それに輪をかけて他宗教との議論から戦争が始まり
多くの人間達が片栗粉の海に血を流し沈んでいった
気象衛星や宇宙ステーションからは地球は白く濁って見えた
雲と見分けがつかないぐらいだった
もしガガーリンが生きていれば「地球は白くなった」
と泣きながら喚くだろう
この異常気象(雲が片栗粉を発生させているのだ)は
確実に世界の終わりを明確にしているだろう
そして僕達は罪を洗いざらいに告白して
自分だけは地獄に堕ちたくないと
願うだろう(宗教が違えば思うことも人それぞれだが 大抵の人は)
世界は混沌に満ちている
この非日常の世界の中で
僕は毎日揚げ物を食べている
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