問題/
ツ
すぐに忘れてしまう
すぐに見失ってしまう
さっき見せた笑顔の理由も
ドリップし立ての珈琲の香りも
目を刺すような青空も
またすぐにわからなくなってしまう
スプーンで3回掬って
マグカップの中を漂っているひろしの心は
夢のような現実の中で意識に意識的
花やジョウロや風や洗濯物みたいに無防備に
ただそこに存在してしまっているということ
そして狭いベランダから眺めてるいま
夕焼けはおそろしく綺麗だということ
すなわちこれはそういう問題
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