朝の食卓にて/なかがわひろか
朝の日常議論の花
そこに正義は生まれ
悪にくだを巻く
薄い紙に
描かれた人間模様
何処か遠い場所で起こっていることだろう
大きな声で騒いでみても
どうせ聞こえはしないのに
夜になって眠れば
今朝の日常など
全て忘れてしまうのよ
嗚呼正義、正義と
謳っていても所詮一日の前戯
生まれる前の朝も物心ついた朝も
今朝も明日もきっと同じよ
朝に生まれた正義は
夜の淫らの精神に眠る
誰しも同じなのよ
変わった毎日を送ってる訳じゃない
明日は我が身、誰も知らぬ
嗚呼、正義はこの世で悪となる
(「朝の食卓にて」)
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