君の存在/九谷夏紀
とおい君へ
なぜなの?
ちかい君へ
なぜなの?
君が舞ってる
君が止まった
君の視線を私は外して
うつむく君を私は見つめる
すきとおる君が消えちゃいそうで心配になる
よどむ君が力強くてどきどきする
私はいつもためらって
君はいつも腕組みをして
近づけないのは
夜更け
君が思う私のせい
白中夢
私が思う君のせい
いつもの風景画の
ありふれた人と頻繁に交わす会話は
大切な君とする
そのためにはどこで君に出会えばいい
お互いをひととおり刻みつけあったら
未来なんてどうでもいいんだ
もうここに
君と私が
痛みながらも心地よく存在している
君と私の
未来と信頼と愛と怠惰
君にしか感じないもの
君にしか伝わらないもの
いつまでも
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