沈黙の音楽/
し ん
つうっと
静かに脚を浸す
目を瞑りながら
とぷん、と膝を抱えて
まるで生まれる前の姿で
さあっと
周りの水温が脳内で渦を巻く
水のなだらかな揺らぎと
体内の血流がユニゾン
まるで中和されているよう
ゆらっと
少し揺らぎが大きく
からだがゆるりと動き
流れに沿ってゆく
まるで微々たるプランクトンのよう
つうっと
さあっと
ゆらっと
母なる海
しめやかなる流れ
深閑でありながらも
蒼然な水声が
脳内へと反響
世界のはじまりとおわりの
静かな物語
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