真空/
vallette
傷負いの翼が空を掴む
歪な円を描きながら
しがみつくように飛んでいる
鳥が自分の真上を通る
降ってきた水滴
鳥の血、静かなぬくもりを持って
空には鳥がいた
これから死ぬであろうに
ただ歪な円を描く
少しの間、目を閉じる
空にはもう何もない
太陽はずっと遠くにあった
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