夜の儀式/
石瀬琳々
ごらん、
と指さしてみる北星座
黙ったままの唇を花のように開き
言葉ではなく感覚で知るものがたり
静寂だけが支配する夜だ
暗い森を裸の足で駆け抜け
青い草いきれの洗礼を受ける
星は輝きを増すだろう
無垢な少女を脱ぎ捨て
愛しいあのひとのもとへ
闇うちで光るのは赤い唇だろうか
風の指先にひらめく白い裸身か
静寂だけが支配する夜だ
ごらん
星があんなに近い
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