だらだらと過ごそう/望月 ゆき
 
何も考えずにだらだらと過ごそう
もう 何も

カーペットの端っこが折れていても
直すのやめよう
キッチンの床に水滴が飛んでいても
ぬぐわないでそのまま

部屋の隅にもしかして
わたぼこりとか発見するかもしれない
けれども 放っておこう

誰かからの電話も出ない
誰からかなんて考えないでいよう

ソファの上で寝転んだまま
立ち上がることさえ躊躇しよう
そうやってだらだらと過ごそう

完ぺき主義が
邪魔しようと必死だけれど

なにもかも 
いっぱい考えすぎて

なにもかも
失ってしまったことのある
ぼくだから

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