愛実/霧咲剣侍
 
けて
相手の恋の実に手を優しく伸ばすしかない

たとえ届かなくても笑顔で笑いたい
実際は無理かもしれないけど願いたい
自分がそんな優しくて強い人間だと
それが恋をした人の礼儀だと思うから

甘酸っぱくて淡い色の愛の実は変わった
爽やかに甘く真っ赤に色付いている
僕の手には今愛の実が握られていて
優しく傷付けないように掌の上に

手に持った愛の実は白い光りを放つ
愛の実は白くて大きな夢の鳥となり
大空に羽ばたいていく白い羽を撒き散らし
まるで僕たちの夢を乗せて羽ばたくように


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