覚書/構造
 
逆説的にいえばこうだ、傷ついたという言説は文字通り表現にすぎない。
血は一滴も流れていない。

だが重要視されたうえで結局は誰かが加害者に仕立て上げられた
表現上とはいえ、だれかを加害者に仕立て上げているということならば
このような世間一般に溢れている言説でもって傷ついたということを
主張する人間は、その傷を証明しなければならない、つまり言えば
誰かがあまりに多くの傷を主張するのならば、"必ず死ななければならない"
ことは予期されてしかるべきだ。

彼女ら、彼らが果たして死に到るかどうか
ぼくたちは冷徹に観察しつづける必要がある。

きみたち、傷ついたと抜かしたうえで、これが切羽詰った
表現だというのならば、きみたちはすくなくとも、せめて表現の
うえくらいではきちんと死ねよ。そうでなければ君たちのいう病という
ことですら軽度の表現と見なさなければならなくなるだろう。
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