知らないキミへ/しいこ。
力強く
手、指の数だけ
物を語ってきた
理解されない苦しみは
僕が一番よく分かっている
だから
できるだけ
愛される必要があった
文字に残らないだけ
人は
“嘘だ”っていう
ちがうさ
みんな知らないだけで
真実は常に
流動しているんだし
君は耳が聞こえなかったことがないから
僕の何たるかを
聞けないんだ
耳を塞ぐなよ
目を閉じるなよ
心を閉めないでよ
感覚を研ぎ澄ませてよ
何も見ないで
決め付けられると
苦痛なんだ
それでなくても
家族にすら
理解されにくいのに
ただ
媚を売ってたわけじゃないよ
必要だったんだ
何もかもが
“障害者”という言葉で
簡単に型をつけないで
新しい名前がほしい
僕はスーパーの缶詰じゃないんだ
レッテルを貼らないで
値段をつけないで
品定めしないで
お金では買えないよ
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