船底/
霜天
それ以上でも以下でもない場所で
次の花の香る風を待っています
冬に咲く花を忘れてしまったから
次は桜まで待たないと駄目なのかな
いつでも泳いでいける、練習をしておくこと
それは傾いていける、私たちのためのこと
何を思い出しても、幸せになれないのだとしたら
船底は割れても沈んでいかないのかもしれない
案外、それだけのことだったりするので
何を思い出して、も
朝
まだ、大丈夫
この街も今は、海に遠い
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