第十六次シュークリーム潰れちゃった戦争/ロカニクス
何故なら彼らはひとしずくの馬鹿だったからです
何故なら理由などいらないからです
「怖い」という言葉が似合わない馬鹿どもだったからです
真っ白な平原をカタカタと
おとなしく戦車が走っている
かつては多くの生地を血祭りにあげ
戦争を泥沼に仕立てた必需品も
今ではもうクリームを泡立てる権力すらない
最近ここに赴任してきたひとしずくたちは
透明なヘルメットと軍服と銃や剣を身に付け
お国のためにそこそこ頑張ろうとしている
彼らは色を持ち合わせていないので
言葉で確かめ合う
遠い異国の地では無力とされている騒音を
馬鹿なりに支えあって寄り添う
敵とも言葉で
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