こせいをたいせつに/
煙と工場
を出すために
電車に乗る
うしろには
赤い点々があったが
気にしなかった
だが多くの人々は
自分の赤い液体を
拭いとるのに必死だった
なぜなら
どのような格好をしても
赤い液体は皆同じだからだ
彼らは青や緑や黄色の液体でないと
ゆるせないようだ
私はコンビニのゴミ箱に
見えない手紙を投げ捨てた
近くのスーパーで
皮むきの道具を買おう
人々は赤い液体を笑っていたが
私は怒れなかった
無性に悲しいだけだった
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