空の骨/RT
かわいらしく盛り付けられた
ハンバーグのお肉の正体を
知らないほど子供ではなかったし
ベイビー
花は美しいから散るんだよ
という漫画の台詞を
くりかえし読んでいた
ヤマトが死んだ
犬でも交通事故というのかな
誰もわたしに
ヤマトを見せようとはしなかった
ヤマトは空に帰ったんだよ
やさしく言ったのは誰だったか
ヤマトは骨になっちゃったんだよ
小さく盛り上がった土の前で
わたしに説明したのは誰だったか
ヤマトは死んだ
それ以外の事実はない
おとなたちのやさしい言葉を
少しも疑わないふりをして
ひとりになってから、泣いた
空を見上げる
骨になったヤマトはそこにいるのだろうか
こどもらしい空想をするふりをする
あそこにある白い雲がそうだろうか
こどもらしく騙されている方が
おとなにとっても楽なのだ
わたしにとっても楽なのだ
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