凍る前に/AKiHiCo
冬は寒すぎて白く曇った硝子越しに
遠くに住む貴方を思います
いつ会えるのか指折り数えては
その数だけ溜息を静かに床に落として
ソファに横たえた身体はまだ貴方を覚えている、
あの日の分の温もりをもう一度私に
指に光るは貴方が私にくれた環
私たちはきっといつか時間を気にせず
ずっと抱きしめあえるはず
そう信じさせていて
今はまだ独りきりで闇の中を手探りで
歩いて荊を踏み付けてしまうけれど
貴方と手を繋いで歩ける日がもうすぐ訪れるから
ここで未来だけを睨んで待てばいい
早くここから私を連れ出して
足枷を外して鎖を解いて
私だけの人よ
私には貴方しかいないから
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