春雪/霧咲剣侍
ず僕に触れることを許さない
桜の花びらが雪の舞っていた場所を奪う数に物を言わせて飛び散る
ズタズタに思い出の本を引き裂いて自分は可憐だと済まして舞っている
一人になって分かった寂しさ君の抜けた心の中を忙しさで埋めようとして
必死で無理に必死になって悲しさを押し潰して今まで生きてきた
忘れられなくて一度も心から君の思い出が薄れたことはない
忘れたいもう二度と恋なんてできない本気で一途に恋をしたから
舞い上がった季節外れの雪まるで桜の花びらのようにひらひらと
夕暮れ時にあの日と同じあの場所で一粒の春の雪が舞う
気が付けば一粒の水滴が顔を伝って流れ落ちる地面に向かって
水滴は地面に落ちて弾け飛ぶ春の雪は春雨になり僕を濡らす
びしょびしょに濡れても僕の心の汚れは一生洗い流せない・・・
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