☆105 ハナビラニ、オモイヲ/貴水 水海
 
何気なく

ぶらぶらしていたら

花びらが飛んできた

俺の気に入っている

縦縞のシャツの肩越しに

やっとの思いで

止まっている

薄紅いろの花びら

俺はそっと

薄紅色の花びらを

口に入れる

俺の心はもう

汚れちまったし

ずるくもなった

薄紅色の花びらよ

俺を浄化してくれ

破れた夢の欠片たちを

お前の

潔い美しさで

葬ってくれ

戻る   Point(9)