情景、雨宿り/結城 森士
ことじゃないの?」
「とても寂しいよ、だけど」( 「それは違う!」)
そう言ったきり、大人は黙ってしまった
( 「自分から捨ててはいけない」)
………………
?…
少年はある日、羽を失いました
雨
赤い流れる線
狂い、静かに、一滴
?…
子供は青年を
何かを聞きたそうに見詰めていました
青年はついにこれだけを言いました
「僕は、それを否定しない」
窓の外を眺めてそれ以降、ずっと、何も言いませんでした
既に子供の姿は無く、青年は傘も持たずに出て行くところでした
多くの大人は未だに傘を持っていません
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