スワローテールの恋/こしごえ
 
顔を照らしているのだった

青ざめてわれた砂時計の小径(こみち)で
周回軌道に乗った
嚥下(えんげ)されつづけるしっぽは
ひっそりと消化されつつ
タイムマシンの原子時計が狂う
あえたのかしら、と
光速で
(すみやかに世界は像を結ぶ)
涼やかな指先でなぞられていき
『わたし』が燃えるように にじみ始める

生い茂っている樹木の葉と葉と
その空のすき間にも
しあわせはすんでいる
大空ではいつもみんな笑顔
送ります
ありがとうの日々から
あいしている
あわい影そよぎ
そよぎ そよぐ軌跡が
すんだ水面(みなも)に零れおちて
波紋の伝わりが映りこみ
黒く透けている瞳にさざなみがたって
しろい肌から
しずかな翼が舞いあがった







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