スワローテールの恋/こしごえ
遠い視線につらぬかれた夢のゆらぎに
ことりのさえずるこもれ日がそよぐ
おおきなまなこの
星夜のような瞳が
瞬きはせずに
宙をみつめている
しろい肌には
翼がしずかに舞いおりていた
こぼれて
閃光の輪舞が
宙で標本になりすます
いたいけな
まなざしが凍っている木かげにひとりぶん咲いている
どこですか
どこにいるのですか?
昨日がつみかさなっている
最上階で今日がこんにちはってほほえんでいる
下層では掃除ふもこんにちはって
手をふっている
雨は流れ流れて
明日へかえるしたくをしている
切ないらしい日の光は
らしい、というだけであって
しろい顔を
[次のページ]
戻る 編 削 Point(17)