スワローテールの恋/こしごえ
 
遠い視線につらぬかれた夢のゆらぎに
ことりのさえずるこもれ日がそよぐ

おおきなまなこの
星夜のような瞳が
瞬きはせずに
宙をみつめている
しろい肌には
翼がしずかに舞いおりていた

こぼれて
閃光の輪舞が
宙で標本になりすます
いたいけな
まなざしが凍っている木かげにひとりぶん咲いている
どこですか
どこにいるのですか?

昨日がつみかさなっている
最上階で今日がこんにちはってほほえんでいる
下層では掃除ふもこんにちはって
手をふっている
雨は流れ流れて
明日へかえるしたくをしている
切ないらしい日の光は
らしい、というだけであって
しろい顔を
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