光/結城 森士
人を守るためなら
乞う命すら殺す冷血な意思を知った
人生は戦いであり
僕は、好きになった人を守るためなら
理想の人間像を再び肯定する
理想的な人間は
鶏を殺すだろう
5…
そこまで信じた本当の愛ですら捨てれる強さを知る
歯車がお互いを傷つけあっているのなら
僕はその歯車を断ち切る
例えその中に、
掛け替えの無い愛があったとしても
何故なら
新しい歯車を探さなければならないからだ
そこまでしてでも
理想の人間像を捨ててはいけないからだ
常に前を向いて歩かなくてはならない
何故なら
もし命を乞う鶏の如く哀れな人間がいて
僕がその人の無実の為に真実の涙を流し
その人の為に真実の感情で接したとしても
それが今までの様に世界を否定する真実に結びつくのなら
結局僕は人を守れる強さを失ってしまうからだ
だから真実を追求するよりも(愛する人との歯車を断ち切ってでも)
常に前を向いて歩いていく強さを身に付けなければならない
それが人を守る強さだからだ
強さ無しに、愛する人を守ることは出来ない
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