希望/瓜田タカヤ
 
づくのだ

津軽の人間に翼はない
雪を固めて作成したそれは
三本指の幼児を
河川に投げ捨てられるし

人間の居ない空間でささやきあう濁った妄想殺人によって
すぐに溶け消えるから

四本指でも同じだし
五本指でも
金がなければ同じだ

若いイタコは
帰ってくださいといい
年老いたイタコらは
俺の挙動を伺った

俺は
急いで泣きそうになって
若いイタコを蹴り上げた部位をなでながら
何度も謝罪した
何度も彼女の体を
なでたが
手のひらは
少しずつ
ミリ単位で
彼女の
下腹部へと
這っていった

完全に外は日が暮れた

彼女にこっそり
今夜一緒にどこか行かないかい
俺この辺しらナインからさあ
と言い

彼女の肉体を
さわり続けていた

それは
蛇の生殺しプレイのような意味合いを持たせたがっているが
ただ単に彼女の皮膚の中身に触れたいだけなのだ

その中身に
君が本当にいるのか
のぞき込んで
触れたいのだ

母胎のようなぬくもりに
柔らかい肉片をあてがいたいのだ。
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