十九才の時の俺へ(何が欲しい)/弥勒ちんげんさい
 
俺が欲しいものは 見付かった

お前には何が欲しいのか分からないだろ
理性も感情も空っぽだな
世俗を認める決意をした歳の俺
風呂場の排水溝を見詰め
「どうせなら楽しめたらいい」と思った

ありきたりの価値から探す
それは カードから繰り出す大金じゃ無かった
綺麗な若い女じゃ無かった
高級外車じゃ無かった

何だったろ
そんなのじゃ 足しにしか成らない

足しにしか成らなかった

不良少年からのグループで見付けようとする
友人の多さか
権力の中枢か
名声の絶頂か

俺には掴めないものもあった

探していたのは生きる意欲だったよな
探していたのは生き
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