赤眠/ねなぎ
 
眠く
赤い

鼓動が時刻を刻むように
変化していく

ゆっくりと流れる

何をどのくらいの分量で

街を歩いている時に見た
電信柱の影に隠れるように
置いてある半透明の袋から
こぼれる異臭に
鴉が
黒い嘴で必死に咥えて
その目が
余りに透き通って見えるので
嘴の先にこびり付き
羽根に付属した

ずっと赤い

でも
べつにいいんだよ

その空の下では
固形に変わっていくのは
店員がつり銭を出す時に
見た目では判断できずに
燃えていくような
青緑色なのは銅だからで

息を切らせて
走っていく
その口中が乾いて
寒さが痛み
肌を流
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