春眠/
たもつ
花に水をあげている君を見て
ああ、じょうろのまま一生を終わるのも悪くないな
と思ったのは、もう
うつらうつら
していたからなんだろう
背中の取っ手から
ひんやりとした手の温もりが
僕の中に伝わってくる
春一番のハチに驚いた君の声で
目が覚めた
ある日の春眠
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