新春(五)/信天翁
 
鉛いろの雲がやっと抜けてくれた

散策のモノトニーなプロムナードに
形ばかりの冬陽がむらがる

突然 あえぐようなヘリのうなり
(新春の初フライトか)

おもわず猫背を反らし首を上向ける
眼内レンズを労わるように

かくしてvividをなくした一日は
無聊のうちに消えて逝く

あゝ 若者との共有物が消失した
老骨の脆さと哀れさ

 






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