トイレスリッパ/
竹節一二三
るわけでもないのに
そう心配になる
はなびらは未だ
わたしをとりまいて
わたしは雪の幻影にとりつかれる
話したいことって
苦しい息の中からそう問うと
きみは 忘れた と一言
みどりの地面はところどころ土が出て
その上にはなびらがおちる
トイレスリッパははなびらをけちらさない
わたしは雪のかわりに
はなびらを捕まえてばらまいた
トイレスリッパのあしにはなびらはつもり
君はトイレスリッパごとさくらの花になる
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