楽園/野薔薇
 
楽園を求め続けた
いつも
いつも
その楽園での生活を
望み続けた

時々
何故自分はその楽園の住人として
この世に誕生しなかったのか
そう嘆いていた

神様を呪う事も多々あった
何故私はここに居るのか
私はこの場所に属していない
この人達に属していない

毎日が地獄だった

そして
月日は流れ
私の願いは
遂に叶った

私は辿り着いた
私が楽園だと
信じていた場所に

だけどそこで待っていたのは
厳しい現実

そこでは
喉を癒す水や
安らぎを与えてくれる
緑なんかなかった

代わりに出会ったのは
たくさんの試練

笑う代わりに
たくさん泣いた
心を落ち着かせる代わりに
たくさんの恐怖に怯えた

そこは楽園ではなかった

また月日が経ち
私はその場所から
帰還した
私が地獄だと
嫌っていた場所に

そこには楽園が広がっていた
戻る   Point(5)