一瞬のグレイ/霜天
 
夕暮れの寂しさを
ひらりひらりと切り抜ける
たまに当たるけど
ずっとずっとの儀式になってる

夕暮れはどこも一様に夕暮れなので
眩しくなくなった太陽を見つめる振りをして
薄いグレイの天辺を見ている
星との境目が透明になっていく
そんな瞬間だろうか


次第に近づいてくる闇が
怖くなくなったのは何時からだろう


何時の間にか早足になっていた自分をたしなめる
こんな夕暮れはゆっくり帰ろうと

一瞬のグレイ
少しずつ透明になって
星が瞬く
ゆっくりと気付かれないように色を削ぎ落としていく
未来は多分 そんなふうに姿を見せるんだろう
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